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雨降り

(2016/9/28)

 

 

 

 

ちょっとした悪いこと、

少し強い雨にだって、

負けそうになってしまう時がある。

 

古くて歪んだ傘差して

とぼとぼ歩く濡れたコンクリート道

 

街頭が鈍く水たまりに写って

なんだかちょっと足がもたつくよ

 

 

 

ちょっとした悲しいこと、

少し冷たい雨にも

負けてしまいそうになる日がある。

 

お気に入りの靴が水浸しで

かじかむぐらい足の小指まで冷たくて

 

 

 

そんな時、そんな日に、

ふと君が今もどこかで生きてるのかな

なんて思えば

傘をさしても、頭の先のもっと遠く、

ちょっと薄暗い空の色も千切れた雲の形も

遠く離れた君がいそうな町の景色も

見えてくる。

 

 

 

雨降りの日、

傘の中、

半径60センチ。

 

それでも僕の視界は

もっと遠くへ

 

僕の心は

雨の雫みたいに跳ねた。

 

あぁ 今、どこかで、君が笑っていたらいいなぁ

なんてね

 

 

雨降りの日、

傘の下、

半径60センチ。

 

それでも僕の胸は

雨の雫のリズムにあわせて

弾む。

 

あぁ 今、どこかで、君が生きているんだなぁ

 

なんて

 

ね。

 

 

 

コンクリートの道に街灯の金色水面

誰もいない夜を向かえる藍色の町に

濡れてるけれどお気に入りの靴

地面をうつ静かな雨の雫の音々が

僕を特別にしてくから。

 

水たまりを飛び越えて

傘を回して

不格好にステップふんで

小さく鼻歌を歌ってみた

 

 

 

雨降り、

 

雨降り

 

今日は、雨降りだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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