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雨と如雨露
Rain and Watering Pot
朝
目覚めは冬の定か
さぁ、目をぱっちり開けてみて
窓の外では、光を灯した絹の朝霧
きっと神様のコバルトブルーに縁取られたティーカップから溢れ出たの
まだ残る雪のひとかけは、
妖精の羽の鱗粉が降って
散りばめられたダイヤの輝き。
君はどんなものになりたい?
君は自分のことを 「こんな」 だなんて言うけれど
ねぇ、君は僕らの一つの巡り巡っていく奏なのさ
どんなメロディよりも優しく、美しく、強くて。
それは誰にも手に入れることが出来ないの。
もし君が僕らの奏の一つなのだとしたら
君はどんな風になりたい?
光に満ち満ちた木漏れ日の鏡?
それともあの子に向かって降りていった虹のひとすじ?
朝霧にぬれた深緑のあたたかい苔の絨毯でも素敵だね。
君がもしそんな風になりたいと思っていたのなら、
誰かに少しでも優しくなれたのなら
それだけで君は誰よりも素敵なメロディーね。
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