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さようなら、とひとこと。回転木馬

 

(2017.2.17)

 

 

そうだねきっとその傷も思い出も

いえることはないかもしれないね

見たくない景色繰り返し

夢にまでだって

ぐるぐるおんなじ景色

回転木馬は 回る回るよ

 

くらくら おんなじ景色

チカチカ 胸がつまる

そんな思い出

 

でも明日も明後日も

なにもかも 君の思いどおりに

なんか いくもんか

 

きっとおどろくような

そんな 風がふくよ

 

見えてくるよ

吹いてくるよ

新しい風と

新しい色

 

空は果てがなくて

星はわらってる

月は静かに口笛ふいて

そっと草木が身を寄せ合う

みたいにゆれる

 

木馬 草原を駆け抜けてく

 

目をつむってみてよ

草の香りのする風

頬にあたる冷たい風

やさしい風

 

 

確かに感じるでしょ

まわる浮遊感に

それと確かなきみの鼓動の音

きみの痛みと一緒にうずく振え

 

きみの全てを知ってるから

きみが笑ったことも

きみが泣いたことも

 

それだけで充分

それだけでいい

 

手を振ってみせて

 

あの木馬を追い抜いてみてよ

はだしで

青緑の海を

声を出して 息をあげて

泣いて 笑って

 

 

蛍光色の明かりも

ネジ巻きのその舞台だって

顔をあげて 

涙も痛みも

走っていけば追ってこれはしないから

 

 

手を振ってみせて

わたしが精一杯

振って返してみせるから

 

さよなら、って

 

 

思い出も傷も

ほら

それでいいから

そのままでいいから

 

 

さよなら、って

ひとことだけ、

 

さようなら、回転木馬

 

 

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