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半月、夢

 

 

 

1月の11日、私は青緑のベルベットにつつまれて、

夢をみた。

 

そうそれは、魚の鱗。

ひらたく、冷たく、かるく光った。

 

ちっぽけな私は貴方に出会い、

ただ貴方への恋を紅く実らせ、

 

ただただ幸福に貴方に抱きしめられていた。

 

それは満ちた月のように

どこか明るくどこか暗く。

 

醒めた私はただ自分の満ちた心を知って

あまりのその幸福に泣きました。

 

ただ夢で出会えただけなのに。

 

それはきっと半月の夢

これから欠けていくものでしょう。

 

それでも魚の鱗のように

きらめきがつのっていくのは

なんででしょう、

 

ただただ夢で貴方に愛されたというのに。

 

それはきっと半月の夢

私が死んでも尚 私の鱗となって光るでしょう。

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