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白米、神さま

(2017.6.18)

白米の神様、かみさま。

今日のぼくのお夕飯、

こまつなのおひたし、肉じゃがにお味噌汁

それと白米、まっしろ、まっしろ

でした

白米のかみさま、かみさま。

今日もぼくのお夕飯、

さいごのさいごのちっちゃな

その一粒、のこさずに

たべました。

なにかいいこと、ありますか

なにかお願いごと、きいてくれますか

わたし、あの人ともっと一緒にいたいな

わたし、あの人に覚えててもらえるかな

今日のぼくのお夕飯、

きんぴらごぼう、塩鮭にキャベツのお味噌汁

それと玄米、ちゃいろ、ちゃいろ

でした

白米のかみさま、かみさま、

白米と玄米はちがうから

神様、違うかな、それじゃ

玄米のかみさま、

なにか、もういっこ、

いいことあるかな

もう一個お願い、きいてくれますか

わたし、あの人ともう一度出会いたいな

わたし、のもう一回のじんせいが

白米のかみさま、かみさま、

今日も一粒も残さず

お茶碗の中はからっぽだから

白米のかみさま、かみさま、

ねぇ、じんせいの終わりに

こんな気持ちになるのかしら

ちょっとだけ淋しい

ちょっとだけ心の中が

白米のかみさま、かみさま、

きっとあなたには気にも留めない

ことかもしれないけれど

わたし、あの人が好き、

わたし、あの人が大好き

 

だから

まっしろな白米のかみさま、

かみさま

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